簿記3級 勘定科目一覧

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簿記3級 勘定科目一覧|資産・負債・純資産・収益・費用の完全マップ(覚え方付)

簿記3級の学習で最大の壁は、「勘定科目の名前と分類が頭に入らない」 ことです。テキストには 70〜80 個の勘定科目が登場し、初学者の多くがここで挫折します。しかし実は、勘定科目は 「5要素(資産・負債・純資産・収益・費用)」 という大きな箱に分けて整理すれば、一気に覚えやすくなります。本記事は、簿記3級で問われる勘定科目を 5要素別に完全リスト化 し、それぞれのホームポジション・典型的な使われ方・混同しやすいペアまで1ページに集約した、独学者のための保存版マップです。

各章は表形式で整理しているので、分からない勘定科目に出会ったら、このページを開いて Ctrl+F(スマホは検索)で素早く見つけてください。さらに、120 以上の勘定科目をフィルタ・検索できる『勘定科目検索』ツールと併用すれば、暗記の労力を半分以下に減らせます。

1. 勘定科目を覚える前の大原則:5要素+ホームポジション

勘定科目を効率的に覚えるカギは、1つひとつを暗記するのではなく、5要素のどこに属するかを判断するクセ をつけることです。5要素とそれぞれのホームポジションは以下の通りです。

5要素ホームポジション増えたとき減ったとき代表的な科目
資産借方借方貸方現金、売掛金、建物
負債貸方貸方借方買掛金、借入金
純資産貸方貸方借方資本金、繰越利益剰余金
収益貸方貸方借方売上、受取利息
費用借方借方貸方仕入、給料

ルールは 「ホームポジションに増えた/反対側に減った」 という1つだけ。これを覚えれば、未知の勘定科目でも 5 要素を判断できれば仕訳が書けるようになります。逆に言えば、5要素の判断さえできれば 暗記の負担は激減 します。次章から、5要素ごとに代表的な勘定科目を一覧でご紹介します。

2. 資産の勘定科目(ホームポジション:借方)

資産は 「将来お金や経済価値を生み出すモノ・権利」 の総称です。現金・預金などの流動性が高いものから、建物・土地などの長期的な資産まで幅広く含まれます。

科目名読み方ホームポジション典型的な使われ方
現金げんきん借方紙幣・硬貨・他人振出小切手・郵便為替証書
当座預金とうざよきん借方小切手で決済できる無利息の預金
普通預金ふつうよきん借方銀行の一般的な預金
小口現金こぐちげんきん借方会計係から係員に前渡しされた小額現金
受取手形うけとりてがた借方取引先から受け取った約束手形
売掛金うりかけきん借方本業の商品販売で生じた未回収の代金
クレジット売掛金くれじっとうりかけきん借方クレジットカード決済で生じた信販会社への債権
有価証券ゆうかしょうけん借方株式・国債・社債などを売買目的で保有
繰越商品くりこししょうひん借方期末に売れ残った商品(決算整理で登場)
貯蔵品ちょぞうひん借方未使用の切手・収入印紙など
前払費用まえばらいひよう借方継続サービスの未経過分(決算整理)
前払金まえばらいきん借方商品・固定資産購入時の内金・手付金
未収収益みしゅうしゅうえき借方当期分だが未受領の収益(決算整理)
未収金(未収入金)みしゅうきん借方本業以外の取引で生じた未回収の代金
貸付金かしつけきん借方他者にお金を貸し付けたときの債権
立替金たてかえきん借方従業員や取引先のために一時的に立て替えたお金
仮払金かりばらいきん借方用途・金額が未確定の支払(仮の処理)
建物たてもの借方自社使用の店舗・倉庫・事務所
備品びひん借方パソコン・コピー機・机・椅子などの長期使用品
車両運搬具しゃりょううんぱんぐ借方営業用の自動車・トラック・バイク
土地とち借方事業用の土地(減価償却しない)
減価償却累計額げんかしょうきゃくるいけいがく貸方(資産のマイナス)固定資産の評価勘定(間接法)

資産で覚えるコツ

資産は 「左側(借方)に増える」 が大原則。ただし減価償却累計額のような 評価勘定 だけは『資産のマイナス』として貸方に立つ例外です。固定資産(建物・備品・車両運搬具)はライフサイクル(取得 → 減価償却 → 売却)全体で出題される頻出論点なので、必ずセットで押さえてください。

3. 負債の勘定科目(ホームポジション:貸方)

負債は 「将来お金や経済価値を支払う義務」 の総称です。仕入代金の未払い、借入金、預り金などが代表例です。

科目名読み方ホームポジション典型的な使われ方
支払手形しはらいてがた貸方取引先に振り出した約束手形
買掛金かいかけきん貸方本業の仕入で生じた未払いの代金
借入金かりいれきん貸方銀行や他者から借りているお金
当座借越とうざかりこし貸方当座預金が一時的にマイナスになった分(決算で振替)
未払金みばらいきん貸方本業以外の取引で生じた未払いの代金
未払費用みばらいひよう貸方当期分だが未払いの費用(決算整理)
前受収益まえうけしゅうえき貸方翌期以降分を当期に受け取った収益(決算整理)
前受金まえうけきん貸方商品販売の内金・手付金として受け取ったお金
預り金あずかりきん貸方従業員から一時的に預かったお金(総称)
所得税預り金しょとくぜいあずかりきん貸方給与から源泉徴収した所得税
社会保険料預り金しゃかいほけんりょうあずかりきん貸方給与から控除した社会保険料の従業員負担分
仮受金かりうけきん貸方用途・金額が未確定の入金(仮の処理)
貸倒引当金かしだおれひきあてきん貸方(資産のマイナス)売掛金・受取手形の評価勘定

負債で覚えるコツ

負債は 「右側(貸方)に増える」 が大原則。預り金・社会保険料預り金・所得税預り金は給与計算で必ず登場するので、3 セットで覚えましょう。前受金(商品代金の内金)と前受収益(決算整理)は混同しやすいので、後述の「混同ペア」セクションも必ずチェックしてください。

4. 純資産の勘定科目(ホームポジション:貸方)

純資産は 「資産から負債を引いた、企業の正味の財産」 です。簿記3級ではほぼ2つだけ覚えれば十分です。

科目名読み方ホームポジション典型的な使われ方
資本金しほんきん貸方株主が出資した金額
繰越利益剰余金くりこしりえきじょうよきん貸方過年度・当年度の利益の累積額

純資産で覚えるコツ

純資産は 「収益−費用」で計算した当期純利益が繰越利益剰余金に振り替えられる という流れを押さえましょう。決算振替仕訳で『損益勘定 → 繰越利益剰余金』に振り替える処理は第3問で頻出です。

5. 収益の勘定科目(ホームポジション:貸方)

収益は 「企業が稼いだお金」 の総称です。売上が中心ですが、本業以外で生じる収益も忘れずに押さえましょう。

科目名読み方ホームポジション典型的な使われ方
売上うりあげ貸方本業の商品販売で得た収益
受取利息うけとりりそく貸方預金・貸付金などから得た利息
受取家賃うけとりやちん貸方建物を貸して得た家賃
受取地代うけとりちだい貸方土地を貸して得た地代
受取手数料うけとりてすうりょう貸方仲介・代理業務で得た手数料
受取配当金うけとりはいとうきん貸方保有株式から得た配当金
雑益ざつえき貸方原因不明の現金過剰や少額のその他収益
貸倒引当金戻入かしだおれひきあてきんもどしいれ貸方貸倒引当金が過大設定だった場合の戻入
有価証券売却益ゆうかしょうけんばいきゃくえき貸方有価証券を売却した際の売却益
固定資産売却益こていしさんばいきゃくえき貸方建物・備品などを売却した際の売却益
償却債権取立益しょうきゃくさいけんとりたてえき貸方過年度に貸倒処理した債権が回収できた場合の収益

収益で覚えるコツ

収益は 「右側(貸方)に増える」。受取〇〇という名前は、ほぼ全て収益です。逆に支払〇〇は費用なので、ペアで覚えると効率的(受取利息←→支払利息など)。

6. 費用の勘定科目(ホームポジション:借方)

費用は 「企業が使ったお金」 の総称です。日常業務で発生する費用が多く、種類も豊富です。

科目名読み方ホームポジション典型的な使われ方
仕入しいれ借方本業の商品仕入
給料きゅうりょう借方従業員に支払う給与(総支給額)
法定福利費ほうていふくりひ借方社会保険料の会社負担分
福利厚生費ふくりこうせいひ借方社員旅行・健康診断などの費用
旅費交通費りょひこうつうひ借方電車・タクシー代・出張旅費
通信費つうしんひ借方電話・郵便・インターネット料金
消耗品費しょうもうひんひ借方コピー用紙・文房具など短期消耗品
水道光熱費すいどうこうねつひ借方電気・ガス・水道代
支払手数料しはらいてすうりょう借方銀行振込手数料・仲介手数料など
支払家賃しはらいやちん借方事務所・店舗の家賃
支払地代しはらいちだい借方事業用の土地代(地代)
支払利息しはらいりそく借方借入金などの利息
租税公課そぜいこうか借方固定資産税・印紙税・自動車税など
貸倒引当金繰入かしだおれひきあてきんくりいれ借方決算で貸倒引当金を設定した費用
貸倒損失かしだおれそんしつ借方貸倒引当金で補えない貸倒の費用
減価償却費げんかしょうきゃくひ借方固定資産の当期償却額
雑損ざつそん借方原因不明の現金不足や少額のその他損失
有価証券売却損ゆうかしょうけんばいきゃくそん借方有価証券を売却した際の売却損
固定資産売却損こていしさんばいきゃくそん借方建物・備品などを売却した際の売却損

費用で覚えるコツ

費用は 「左側(借方)に増える」。〇〇費・〇〇損という名前は、ほぼ全て費用です。給料は 総支給額 で借方計上し、預り金(社会保険料・所得税)は貸方に分けるという『総額主義』の処理が頻出ポイントです。

7. 混同しやすい勘定科目ペア(独学者の最大の落とし穴)

勘定科目で受験者がもっとも間違えるのは、似た名前で意味が異なるペアです。以下の表で完全に区別をつけてください。

ペア違いの決定打使い分けの例
売掛金 ⇔ 未収金本業の販売か、本業以外か八百屋が野菜を掛売り→売掛金、中古冷蔵庫を売却→未収金
買掛金 ⇔ 未払金本業の仕入か、本業以外か八百屋が野菜を掛仕入→買掛金、コピー機を後払いで購入→未払金
前払費用 ⇔ 前払金決算整理(継続サービスの未経過分)か、期中の内金・手付金か家賃 12 か月分前払いの未経過分→前払家賃(前払費用)、商品発注時の内金→前払金
前受収益 ⇔ 前受金決算整理(継続サービスの翌期分)か、期中の内金・手付金か家賃 12 か月分受領の未経過分→前受家賃(前受収益)、商品代金の内金受領→前受金
貸付金 ⇔ 立替金利息を取るか、一時的に立て替えるだけか取引先に資金を融通→貸付金(利息あり)、従業員の社保自己負担分を会社が一時負担→立替金
仕入 ⇔ 消耗品費販売目的の商品か、自社で使うものか本業で売るための仕入→仕入、社内のコピー用紙・文房具→消耗品費
受取手数料 ⇔ 支払手数料もらう側か、支払う側か仲介して報酬をもらう→受取手数料、銀行振込で取られる→支払手数料
仮払金 ⇔ 仮受金払ったか、受け取ったか出張旅費の概算支給→仮払金、内容不明の入金→仮受金
租税公課 ⇔ 法人税等固定資産税・印紙税など か、法人税・住民税・事業税か固定資産税の支払→租税公課、法人税の中間納付→仮払法人税等(簿記3級では範囲外も登場)

8. 5要素の判別フロー(迷ったときの簡易判定)

勘定科目の名前を見て『これは何要素か?』と迷ったら、以下のフローで判定してください。

  1. 「将来お金になる権利・モノ」 なら → 資産(借方ホーム)
  2. 「将来お金を払う義務」 なら → 負債(貸方ホーム)
  3. 「会社のオーナー(株主)の取り分」 なら → 純資産(貸方ホーム)
  4. 「お金を稼いだ・もらった(受取〇〇)」 なら → 収益(貸方ホーム)
  5. 「お金を使った・払った(〇〇費・〇〇損・支払〇〇)」 なら → 費用(借方ホーム)

このフローで 9 割以上の勘定科目が判別できます。残り 1 割の評価勘定(減価償却累計額・貸倒引当金)と特殊な決算整理科目だけ、別途暗記してください。

9. 勘定科目を覚える3つのテクニック

テクニック1:ペアで覚える

受取〇〇/支払〇〇、〇〇売却益/〇〇売却損、前払〇〇/前受〇〇など、対になるペアは 必ず同時に覚える と効率的です。片方を見たらもう片方も即座に思い出せる状態が理想。

テクニック2:本業か本業以外かで分ける

売掛金/未収金、買掛金/未払金、売上/雑益、仕入/消耗品費 など、「本業か否か」 で科目が変わるパターンは特に頻出です。問題文の業種(八百屋・電気店・不動産屋など)を必ずチェックしてください。

テクニック3:勘定科目検索ツールで反復

本サイトの『勘定科目検索』は 120 以上の科目を 5 要素別に検索でき、スマホからスキマ時間に確認できます。テキストでの暗記とあわせて、1日3分ツールに触れる習慣 をつければ、2 週間で勘定科目はほぼ完全に頭に入ります。

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よくある質問(FAQ)

勘定科目は全部丸暗記しないとダメですか?

丸暗記ではなく『5要素+ホームポジション』で覚えるのが正解です。資産・負債・純資産・収益・費用のどれに分類されるかが分かれば、増減で借方・貸方どちらに書くかが自動的に決まります。たとえば『売掛金は資産=ホームポジションは借方→売掛金が増えれば借方、減れば貸方』という具合です。簿記3級で問われる勘定科目は約 70〜80 個ありますが、5 要素ごとに表でまとめて反復すれば 1 週間でほぼ全て押さえられます。本サイトの『勘定科目検索』ツールも 120 以上の科目を 5 要素別に検索できるので、暗記の補助として活用してください。

売掛金と未収金(未収入金)の違いは何ですか?

両方とも『お金を後で受け取る権利=資産』ですが、発生原因が異なります。売掛金は『商品(=本業の販売物)を売って代金を後で回収する場合』に使い、未収金は『本業以外(=備品や有価証券などの売却)で代金を後で回収する場合』に使います。たとえば八百屋が野菜を掛けで売ったら売掛金、八百屋が中古の冷蔵庫を売って代金を後日受け取るなら未収金。同様に買掛金(本業の仕入)と未払金(本業以外の購入)も区別します。本業か否か、これが識別の決定打です。

減価償却累計額や貸倒引当金は何要素ですか?

どちらも『評価勘定(控除的評価勘定)』と呼ばれる特殊な勘定です。減価償却累計額は固定資産(資産)のマイナスを表す科目で、貸方残高ですが分類上は『資産のマイナス』として扱います。貸倒引当金は売掛金・受取手形(資産)のマイナスを表す科目で、同じく貸方残高で資産のマイナスです。試算表や貸借対照表では、対象の資産から控除する形式で表示されます。簿記3級では『資産のマイナスは貸方に立つ』と覚えておけば十分です。

前払費用と前払金、どう使い分けますか?

前払費用は『継続的なサービスの代金を前払いした分のうち、まだ提供を受けていない期間の部分(決算整理で計上)』。前払金は『商品・固定資産などを購入する際、契約時に内金・手付金として支払った金額』。たとえば家賃 12 か月分を前払いし、決算時に翌期分が 3 か月残っていたら『前払家賃(=前払費用)』、商品を発注する際に 10 万円を内金として支払ったら『前払金』を使います。両方とも資産(借方)ですが、使われる場面が決算整理 vs 期中取引と異なります。

勘定科目を覚える順番のおすすめはありますか?

おすすめの順番は (1) 5要素のホームポジション、(2) 資産(現金・売掛金・繰越商品・備品)の主要科目、(3) 負債(買掛金・借入金・未払金)の主要科目、(4) 収益(売上・受取利息)と費用(仕入・給料)の主要科目、(5) 純資産(資本金・繰越利益剰余金)、(6) 評価勘定(減価償却累計額・貸倒引当金)の順です。重要度の高い順に取りつつ、ペアになる科目は同時に覚えると効率的です(例:売掛金/買掛金、受取利息/支払利息)。本サイトの『勘定科目検索』をブックマークして、迷ったらすぐ確認できる環境を作っておきましょう。