
FP3級
FP3級 6分野まとめ|ライフ・リスク・金融・タックス・不動産・相続の重要論点
FP3級の6分野とは?
FP3級の試験範囲は、以下の6分野に整理されています。学科試験ではこの6分野からほぼ均等に出題され、それぞれの分野で個人のライフステージ・リスク・お金の運用・税金・資産・相続に関する基礎知識が問われます。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
本記事では、各分野の頻出論点・覚え方のコツ・混同しやすいポイントを1記事に集約しました。テキストを読み終えた後の総まとめ、試験直前の見直しにご活用ください。
1. ライフプランニングと資金計画
個人のライフイベント(結婚・出産・教育・住宅取得・退職・老後)に必要な資金計画と、そのための公的年金・社会保険・教育資金・住宅資金の知識を学ぶ分野です。
頻出論点
- 公的年金(国民年金・厚生年金) — 第1号〜第3号被保険者の区分、老齢基礎年金の満額条件(40年納付)、受給資格期間(10年)。
- 社会保険(健康保険・介護保険・労災・雇用保険) — 各保険の被保険者範囲・保険料負担・給付内容。
- 6つの係数 — 終価係数・現価係数・年金終価係数・年金現価係数・減債基金係数・資本回収係数。何を求めるときにどれを使うかを表で整理。
- 教育資金 — 教育ローン(保護者が借りる)と奨学金(学生本人が借りる)の違い、教育資金贈与の特例(1,500万円・学校以外500万円)。
- 住宅ローン — フラット35の特徴(全期間固定・最長35年・最大8,000万円)、元利均等と元金均等の違い、住宅ローン控除(残高×0.7%×13年)。
覚え方のコツ
「6つの係数」は表で整理するのがコツ。横軸に「現在の元本」「将来の合計」「毎年積立」「毎年取崩」、縦軸に「求めるもの」を取り、どの係数を使うか視覚化すると暗記しやすくなります。
2. リスク管理
生命保険・医療保険・損害保険を通じて、個人や家族のリスクをどう保険でカバーするかを学ぶ分野です。保険商品の仕組み・保険料控除・契約者保護が中心。
頻出論点
- 生命保険の3区分 — 死亡保険(定期・終身・収入保障)、生存保険(個人年金・養老)、生死混合保険(養老)。
- 保険契約の継続方法 — 払済保険(保険金減額・期間そのまま)、延長保険(保険金そのまま・期間短縮)。
- 個人の保険金課税 — 契約者・被保険者・受取人の関係で「相続税/所得税/贈与税」が変わる。死亡保険金の非課税枠は「500万円×法定相続人数」。
- 地震保険 — 火災保険とセット契約、保険金は火災保険の30〜50%、建物5,000万円・家財1,000万円が上限。
- 生命保険料控除 — 一般生命・介護医療・個人年金の3区分各4万円(合計最大12万円)。
- ソルベンシー・マージン比率 — 200%以上が健全性の目安。
覚え方のコツ
「契約者・被保険者・受取人」の組み合わせと税金の対応表を作って覚えるのが鉄則。「契約者=被保険者・受取人が相続人なら相続税」「3者がバラバラなら贈与税」「契約者=受取人なら所得税」と整理すると本番で迷いません。
3. 金融資産運用
預金・債券・株式・投資信託・外貨建て商品など、金融商品の特徴と投資指標を学ぶ分野です。計算問題が比較的多く、苦手意識を持つ受験者も多い分野ですが、公式と意味を理解すれば得点源にできます。
頻出論点
- 景気指標 — 景気動向指数(先行・一致・遅行の3系列)、CIとDIの違い、GDP・日銀短観。
- 債券 — 単利と複利、債券価格と利回りの逆相関(金利上昇→価格下落→利回り上昇)。
- 株式投資指標 — PER(株価÷EPS)、PBR(株価÷BPS)、ROE(純利益÷純資産)、配当利回り。
- 投資信託 — 基準価額の更新タイミング(1日1回・ブラインド方式)、信託報酬の概念。
- NISA — 2024年からの新NISA:年360万円(つみたて120+成長240)・生涯1,800万円(成長は1,200万円まで)。
- 預金保険制度(ペイオフ) — 1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護。
- シャープレシオ — リスクに対するリターンの効率指標。大きいほど効率がよい。
覚え方のコツ
「金利と債券価格は逆相関」「PERは利益に対する倍率・PBRは純資産に対する倍率」「NISAは2024年から大幅拡充」の3つは丸暗記レベルで頻出です。
4. タックスプランニング
所得税・住民税・法人税の仕組みを学ぶ分野。10種類の所得・各種控除・住宅ローン控除・確定申告が中心です。数字の暗記が多く、配点も大きいため得点源にしやすい分野。
頻出論点
- 所得税の10所得 — 利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時・雑。総合課税と分離課税の区分。
- 給与所得控除 — 最低保証額55万円(収入162.5万円以下)。
- 所得控除 — 基礎控除48万円、配偶者控除(配偶者の所得48万円以下)、扶養控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、ふるさと納税(自己負担2,000円)。
- 退職所得控除 — 勤続20年以下「40万円×年数」、20年超「800万円+70万円×(年数−20)」。退職所得は「(退職金−控除)×1/2」で課税。
- 住宅ローン控除 — 借入残高×0.7%×13年。借入限度額は住宅性能で4,500万円〜2,000万円。
- 住民税 — 前年所得をもとに賦課課税。1月1日時点の住所地で課税。
- 確定申告期間 — 翌年2月16日〜3月15日。還付申告は1月1日から5年間可能。
覚え方のコツ
「総合課税vs分離課税」の区分はタックス分野の出発点。「退職・山林・土地建物の譲渡・上場株式の譲渡」が分離課税、それ以外が原則総合課税、と覚えれば応用が効きます。
5. 不動産
土地・建物の登記・取引・建築規制・税金・有効活用を学ぶ分野です。建ぺい率・容積率・登記簿の読み方など実生活で役立つ知識が多く、不動産取引の経験がある人には親しみやすい分野。
頻出論点
- 登記簿の構成 — 表題部(物理的状況)、権利部 甲区(所有権)、権利部 乙区(所有権以外=抵当権など)。
- 宅建業法 — 重要事項説明(35条書面)は宅地建物取引士が行う、契約時の37条書面。
- 建ぺい率 — 建築面積÷敷地面積。容積率 — 延床面積÷敷地面積。
- 都市計画法 — 市街化区域(積極的に市街化)、市街化調整区域(市街化抑制)、用途地域(13種)。
- 不動産取得税 — 売買・贈与・建築・交換に課税(相続は非課税)。原則4%、住宅・土地は3%。
- 登録免許税 — 登記時に国に納める。所有権移転・抵当権設定など。
- 居住用財産の3,000万円特別控除 — マイホーム売却の譲渡益から最大3,000万円控除。所有期間制限なし、特別関係者への売却は対象外。
- 譲渡所得の長期・短期 — 売却した年の1月1日時点で所有期間5年超か否かで判定。
- 不動産所得 — 賃貸住宅の家賃収入は規模を問わず原則「不動産所得」。
- 定期借家契約 — 更新なし・契約期間満了で確実に終了、書面(公正証書等)で契約必須。
覚え方のコツ
「建ぺい率は『建』物の真上から見た投影」「容積率は『容』れている全フロアの合計」と漢字でイメージすると混同しません。譲渡所得の長期・短期判定は「売却年の1月1日」が落とし穴です(売却日ではない)。
6. 相続・事業承継
相続税・贈与税・遺言・事業承継を学ぶ分野。数字の暗記が多く、配点も大きいため得点源にしやすい一方、制度が細かく混同しやすいので表で整理するのがコツです。
頻出論点
- 法定相続分 — 配偶者+子なら配偶者1/2・子1/2、配偶者+親なら配偶者2/3・親1/3、配偶者+兄弟姉妹なら配偶者3/4・兄弟姉妹1/4。
- 相続税の基礎控除 — 3,000万円+600万円×法定相続人数。
- 相続放棄・限定承認 — 相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述。
- 相続税の申告期限 — 死亡を知った日の翌日から10か月以内。
- 贈与税の暦年課税 — 受贈者1人あたり年間110万円まで非課税。税率10〜55%の累進。
- 配偶者の税額軽減 — 配偶者の取得財産は「1.6億円 or 法定相続分」のいずれか大きい方まで非課税。
- 自筆証書遺言 — 本文は全部自筆(財産目録のみワープロ可)、日付・氏名自筆、押印必須。
- 相続時精算課税制度 — 60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫へ、累計2,500万円まで贈与税非課税。相続時に精算。
- 死亡保険金の非課税枠 — 500万円×法定相続人数(受取人が相続人の場合)。
- 小規模宅地等の特例 — 特定居住用は330m²まで80%減額、特定事業用は400m²まで80%減額、貸付事業用は200m²まで50%減額。
覚え方のコツ
「3,000万円+600万円×n(基礎控除)」「500万円×n(生命保険・退職金の非課税)」「110万円(暦年贈与)」「2,500万円(相続時精算課税)」「1.6億円(配偶者の税額軽減)」「3,000万円(マイホーム特別控除)」の6つの数字は丸暗記必須。混同しやすいので表で整理。
分野横断の頻出パターン
FP3級は分野ごとに学びますが、本番では分野を横断する論点もよく出ます。
- 住宅ローン × 不動産 × タックス — フラット35(ライフ)、抵当権(不動産)、住宅ローン控除(タックス)が連動。
- 生命保険 × 相続 — 死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人数)はリスク管理と相続の両方で出題。
- NISA × 配当課税 — 上場株式の配当は通常20.315%課税(金融資産運用)、NISA口座内は非課税(タックス)。
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よくある質問(FAQ)
Q. FP3級の6分野で配点が多いのは?
A. 学科試験は6分野からほぼ均等に出題され、極端に配点が偏ることはありません。「タックスプランニング」と「相続・事業承継」は数字や制度の暗記が多く、得点源として狙いやすい分野です。
Q. 6分野の中で最も難しいのはどれですか?
A. 個人差はありますが、初学者が苦戦しやすいのは『金融資産運用』(PER・PBR・ROE・債券利回りなど計算多め)と『相続・事業承継』(法定相続分・基礎控除・贈与税の特例など制度が複雑)です。
Q. 6分野のうち、得意分野から学習を始めるべきですか?
A. おすすめは関連性の高い分野をまとめて学習すること。『タックスプランニング』→『不動産』(譲渡所得)→『相続』(小規模宅地)と進めると、税法のロジックが連続して理解しやすくなります。
Q. 計算問題と暗記問題、どちらが多いですか?
A. FP3級は約7割が暗記問題、約3割が計算問題です。計算問題は公式さえ覚えれば確実に得点できる『得点源』なので、捨てずに対策しましょう。
Q. 実技試験でも6分野すべてが出題されますか?
A. 学科は6分野ほぼ均等ですが、実技は団体・科目で偏りがあります。日本FP協会『資産設計提案業務』は6分野均等、金財『個人資産相談』はライフ・タックス・不動産・相続中心、『保険顧客資産相談』はリスク・タックス・相続中心です。