危険物乙4 第4類品名30選

危険物乙4

危険物乙4 第4類品名30選|引火点・指定数量・消火方法まとめ

第4類危険物の7区分と指定数量

消防法上の第4類危険物(引火性液体)は、引火点や水溶性によって以下の7区分に分類されます。試験では「ある品名がどの区分か」「指定数量はいくらか」「引火点の桁感」が頻出。

区分指定数量(非水溶性 / 水溶性)代表的な品名
特殊引火物50Lジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレン
第1石油類200L / 400Lガソリン、ベンゼン、トルエン(非水溶性) / アセトン、ピリジン(水溶性)
アルコール類400L(区分なし)メタノール、エタノール、1-プロパノール
第2石油類1,000L / 2,000L灯油、軽油、キシレン、クロロベンゼン(非水溶性) / 酢酸(水溶性)
第3石油類2,000L / 4,000L重油、クレオソート油、ニトロベンゼン、アニリン(非水溶性) / グリセリン、エチレングリコール(水溶性)
第4石油類6,000L(区分なし)ギヤー油、シリンダー油、潤滑油
動植物油類10,000L(区分なし)アマニ油、キリ油、ヤシ油

1. 特殊引火物(指定数量50L・最も危険)

1気圧で発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下の極めて危険な液体。指定数量50Lは7区分中最小で、わずか50Lでも消防法の規制対象。

1-1. ジエチルエーテル(C₄H₁₀O)

  • 引火点 −45℃/発火点約160℃/燃焼範囲1.9〜36.0vol%(広い)
  • 無色透明、特異臭、麻酔作用あり
  • 長期保存で過酸化物を生成 → 爆発の危険があるため密栓・冷暗所保管
  • 消火: 二酸化炭素、粉末(リン酸塩類)、耐アルコール泡

1-2. 二硫化炭素(CS₂)

  • 引火点 −30℃/発火点 約90℃(極めて低い)/燃焼範囲1.3〜50.0vol%(最広級)
  • 無色透明、特異臭、毒性あり
  • 水より重く水と混ざらない → 水中貯蔵(液面を水で覆う)
  • 消火: 水(多量)、二酸化炭素、粉末

1-3. アセトアルデヒド(CH₃CHO)

  • 引火点 −39℃/発火点175℃/燃焼範囲4.0〜60.0vol%
  • 無色、刺激臭、水・アルコールに溶ける(水溶性)
  • 沸点が低い(約20℃)ため夏季は気化しやすい
  • 消火: 耐アルコール泡、二酸化炭素、粉末

1-4. 酸化プロピレン(C₃H₆O)

  • 引火点 −37℃/発火点約430℃
  • 無色、エーテル臭、皮膚刺激性あり
  • 銀・銅などの金属と反応してアセチリドを生成 → 接触禁止

2. 第1石油類(非水溶性200L/水溶性400L)

引火点21℃未満。常温で容易に引火する液体。

2-1. ガソリン(C₅〜C₁₀の混合物)

  • 引火点 −40℃以下/発火点約300℃/燃焼範囲1.4〜7.6vol%
  • 無色〜淡黄色(オレンジ色に着色されている)、独特の臭気
  • 液比重0.65〜0.75(水より軽い)/蒸気比重3〜4(空気より重い)
  • 蒸気は床面・地下に滞留しやすい
  • 消火: 水(棒状)NG。粉末、泡、二酸化炭素

2-2. ベンゼン(C₆H₆)

  • 引火点 −10℃/発火点約500℃/燃焼範囲1.2〜8.0vol%
  • 芳香臭、発がん性あり、水に溶けない

2-3. トルエン(C₇H₈)

  • 引火点 4℃/発火点約480℃/燃焼範囲1.1〜7.1vol%
  • ベンゼン臭、シンナーの主成分、水に溶けない

2-4. アセトン(CH₃COCH₃・水溶性)

  • 引火点 −20℃/発火点約465℃/指定数量400L(水溶性のため)
  • 無色、特異臭、水によく溶ける(水溶性)
  • 除光液、塗料溶剤、接着剤の溶剤として使用
  • 消火: 耐アルコール泡が有効(通常の泡は消える)

2-5. ピリジン(C₅H₅N・水溶性)

  • 引火点 20℃/指定数量400L(水溶性)
  • 悪臭、水に溶ける、塩基性液体

3. アルコール類(指定数量400L)

炭素原子数1〜3の飽和1価アルコール。水溶性/非水溶性の区分なしで一律400L。アルコール火災は通常の泡が溶けてしまうため耐アルコール泡が必要。

3-1. メチルアルコール / メタノール(CH₃OH)

  • 引火点 11℃/発火点約464℃/燃焼範囲6.0〜36.5vol%
  • 無色、特異臭、強い毒性(飲むと失明・致死の危険)
  • 炎は淡青色で見えにくい → 火災発見が遅れる危険

3-2. エチルアルコール / エタノール(C₂H₅OH)

  • 引火点 13℃/発火点約363℃/燃焼範囲3.3〜19.0vol%
  • 無色、酒の主成分、毒性は低い(だが飲用以外は別)

3-3. 1-プロパノール(C₃H₇OH)

  • 引火点 23℃/発火点約371℃
  • 水・アルコール・エーテルと混和

4. 第2石油類(非水溶性1,000L/水溶性2,000L)

引火点21℃以上70℃未満。常温では引火しにくいが、霧状や加熱で引火。

4-1. 灯油(C₉〜C₁₅の混合物)

  • 引火点 40℃以上/発火点約220℃/液比重0.8前後
  • 無色〜淡黄色、ストーブ・ボイラ燃料
  • ガソリン混入で引火点が大幅に下がる → 容器・ノズル取り違え厳禁

4-2. 軽油(C₁₂〜C₁₆の混合物)

  • 引火点 45℃以上/発火点約220℃/液比重0.85前後
  • 淡黄色、ディーゼルエンジン燃料

4-3. キシレン(C₈H₁₀)

  • 引火点27℃前後(オルト・メタ・パラの3異性体で異なる)/指定数量1,000L
  • 無色、芳香臭、塗料溶剤

4-4. クロロベンゼン(C₆H₅Cl)

  • 引火点28℃/指定数量1,000L

4-5. 酢酸(CH₃COOH・水溶性)

  • 引火点 39℃/指定数量2,000L(水溶性のため)
  • 食酢の成分、強い刺激臭、水に溶ける

5. 第3石油類(非水溶性2,000L/水溶性4,000L)

引火点70℃以上200℃未満。常温では引火しにくく、加熱して引火する液体。

5-1. 重油(A・B・C重油)

  • 引火点 70℃以上(A重油60℃以上、B/C重油70℃以上)/液比重0.85〜0.90
  • 暗褐色、ボイラ・船舶燃料、加熱して使用
  • 粘度高く、火災になると消火困難

5-2. クレオソート油

  • 引火点約74℃/指定数量2,000L
  • 暗褐色、木材防腐剤として使用

5-3. ニトロベンゼン(C₆H₅NO₂)

  • 引火点 88℃/指定数量2,000L
  • 淡黄色、アーモンド臭、毒性あり

5-4. アニリン(C₆H₅NH₂)

  • 引火点 70℃/指定数量2,000L
  • 無色〜褐色、染料原料、毒性あり

5-5. グリセリン(C₃H₈O₃・水溶性)

  • 引火点 199℃/指定数量4,000L(水溶性)
  • 無色透明、甘味、化粧品・医薬品の基材

5-6. エチレングリコール(HOCH₂CH₂OH・水溶性)

  • 引火点 111℃/指定数量4,000L(水溶性)
  • 無色透明、甘味、不凍液・冷却液として使用、毒性あり

6. 第4石油類(指定数量6,000L)

引火点200℃以上250℃未満。粘度の高い潤滑油類。

6-1. ギヤー油

  • 引火点約230℃/液比重0.9前後/自動車・機械のギヤ潤滑用

6-2. シリンダー油

  • 引火点約230℃/船舶・大型機関のシリンダ潤滑用

7. 動植物油類(指定数量10,000L・最大)

引火点250℃未満。乾性油(ヨウ素価130以上)は自然発火しやすいことが頻出論点。

7-1. アマニ油(亜麻仁油・乾性油)

  • 引火点約220℃/ヨウ素価170〜204(乾性油)
  • 不飽和結合が多く酸化発熱しやすい → 油を含んだ布の堆積で自然発火事故あり
  • 油彩絵具・木材塗装に使用

7-2. キリ油(乾性油)

  • 引火点約280℃/ヨウ素価約170(乾性油)
  • 木工用塗料、家具仕上げに使用

7-3. ヤシ油(不乾性油)

  • 引火点約290℃/ヨウ素価約10(不乾性油)
  • 食用油、石鹸・化粧品原料、自然発火しにくい

引火点・指定数量の覚え方(語呂合わせ)

  • 「特殊50L」 — 特殊引火物は最危険50L
  • 「ガソリン200・灯油1,000・重油2,000」 — 順に5倍ずつ覚える
  • 「アルコールはガソリンの2倍400」 — 水溶性扱いで400L
  • 「水溶性は2倍に緩和」 — 第1〜3石油類で適用
  • 「ガソリン引火点−40・灯油40・重油70」 — 桁感を覚える

消火方法のまとめ

  • 水(棒状放水)NG — 第4類は水より軽く非水溶性のため、油が水面に広がって火災拡大。霧状(噴霧)水なら可能な場合あり
  • 窒息消火が基本 — 粉末(リン酸塩類)、泡、二酸化炭素、ハロゲン化物
  • アルコール火災 — 水溶性のため通常の泡が消える → 耐アルコール泡(AR-AFFF)が必要
  • 二硫化炭素 — 水(多量)が有効(液面を水で覆う)

ベンリー資格の関連コンテンツ

用語の即答練習には危険物乙4 用語フラッシュ、指定数量倍数を実際に計算するなら指定数量倍数計算ツール、3科目の重要論点を体系的に押さえるなら3科目まとめ、合格までの全体戦略は合格ロードマップをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. ガソリンと灯油の引火点・指定数量・分類の違いは?

A. ガソリン: 第1石油類(非水溶性)/引火点−40℃以下/指定数量200L/液比重0.7程度(水より軽い)。灯油: 第2石油類(非水溶性)/引火点40℃以上/指定数量1,000L/液比重0.8前後。両者を混合すると灯油の引火点が下がり想定外に引火する危険があるため絶対に混ぜてはいけない。

Q. 重油と軽油の違いは?

A. 重油: 第3石油類(非水溶性)/引火点70℃以上/指定数量2,000L/ボイラー・船舶燃料用途。軽油: 第2石油類(非水溶性)/引火点45℃以上/指定数量1,000L/ディーゼルエンジン燃料用途。重油は粘度が高く加熱して使用、軽油は液状で使用。

Q. アルコール火災に通常の泡消火器が使えない理由は?

A. アルコールは水溶性のため、通常の水成膜泡(AFFF)等は溶けてしまい泡が消失して消火できない。耐アルコール泡(AR-AFFF)を使う必要があります。アルコール類の代表: メタノール(引火点11℃)・エタノール(13℃)・1-プロパノール、すべて指定数量400L。

Q. なぜ二硫化炭素は水中で貯蔵するの?

A. 二硫化炭素は特殊引火物で引火点−30℃・発火点約90℃と非常に危険。さらに水より重く水と混ざらない性質を利用し、液面を水で覆うと蒸気の発生・引火を防げます。また、二硫化炭素の蒸気は有毒なので密閉容器での保管が必須。

Q. 動植物油類の自然発火が起きる条件は?

A. アマニ油・キリ油等の乾性油(ヨウ素価130以上)は不飽和結合が多く酸化発熱しやすい。布などに染み込んだ状態で堆積すると、酸化熱が放熱されず蓄積して発火点に達することがあります。油を含んだ布は、水で湿らせて密閉容器に入れて廃棄すべき。